平成から令和への時代の変わり目に 平成の花業界のまとめ記事 『フローリスト』2019年5月号付録
花のクロノロジー特別編 「平成」を振り返る 1989年1月8日より、30余年。今、1つの時代が幕を下ろそうとしている。この時代を通して花の世界に身を置いてきた松山誠氏と、「平成」の花の歴史を振り返る。 ※*平成元年*は1989年1月8日から始まり、*平成31年*4月30日に終了し、翌5月1日に令和に改元となった。このたびの皇位継承、新天皇のご即位は、崩御にともなうものではなかったため、事前に日程が明らかになっていたため、平成を振り返る、という記事が企画された。 序に代えて~平成の3区分~ 平成という時代が終わる。花産業を取り巻く環境も、この30年で激変した。あまりにも多くの要素があるので、思い出すことだけでも多岐にわたり、そのときどきに味わった感情が溢れ、尽きることがない。 平成を3つの時期に分けるとすると、80年代日本経済急成長の余波を受けた90年代後半までを第1期、次いで大型金融機関の倒産があった97年頃を境に、切り花も鉢物も市場が縮小をはじめ、そのまま右肩下がりで2000年代へと推移する第2期。この頃、バブル崩壊後の経済への危機感が強まるなか、生産・流通・販売それぞれがマーケティングを意識し、力を合わせて花の需要拡大に努めることになった。この間、IT技術の驚異的な発展と普及により情報環境は激変した。2008年のリーマン・ショック以後、市場の縮小が落ち着きを見せた2011年に東日本大震災と原発事故が起きた。ここから現在までが第3期と考えている。花の価値について、本質的な部分の議論が求められており、人口減少社会や超高齢化といった日本社会の状況や世代交代を着実に進め、未来への新しい体制作りが待ったなしとなっている。 ここからは、花材とその利用(業務、小売りの商品、デザイントレンド)、国内生産、輸入の花、流通(市場、輸送)、品質管理技術、情報、消費・需要拡大のための動きといった項目を立てて概要をみていく。 新しい花の登場 この30年で新たに登場してきた花材は膨大な数になる。経済が好調な第1期は、海外で育成された新品種の輸入が先行し、その後、国内栽培がはじまるという型があった。スプレーギク、ポンポンマム、ミニガーベラ、アルストロメリア、サンダーソニアなどがそれに当たる。バラは、高芯剣弁の品種から、ガーデンローズに見られるような丸い姿のものが数多く出て...