1968年(昭和43年)「アメリカ西海岸 花と種苗生産視察団報告記」を読む (1)

 


『カリフォルニアの花 ―アメリカ西海岸花と種苗生産視察団報告記―』社団法人日本花き生産協会発行 1968年11月11日 (非売品)


アメリカ西海岸 花と種苗生産視察団一行の記念写真(ハワイ・ホノルル空港にて)



1968年(昭和43年)の初夏、ものすごくビッグな海外視察旅行が実施された。千葉大学関係者を筆頭に、当時の園芸学のリーダーが顔を揃えているのを始め、生産者や温室などの設備業者、小売店、フラワーデザイナーなど、日本の花卉、蔬菜関連の産業を支える人たちがひとつの塊となって参加した。

この歴史的な視察旅行の記録が目の前にある。日本花き生産協会が誠文堂新光社に委託し、『農耕と園芸』や『ガーデンライフ』で活躍する編集者らが一冊の本にまとめている。編集部の主要なメンバーも旅に参加している。これもすごいことだと思われる。

旅行の日程などがまとめて書かれていないが(同時期の『農耕と園藝』誌にも関連記事があり、そちらのほうがわかりやすいかもしれない)、1968年4月24日(水)~5月7日(火)の2週間の視察旅行だったようだ。カリフォルニアとハワイに立ち寄っていろいろな場所を視察している。

●今回、資料として僕が入手したこのブックは、ネットオークションで精神を集中してセリ落とした。以前の持ち主は、京都市北区鷹ヶ峰の高山種苗鷹ヶ峰試験場の山埜幸夫氏が所蔵されていた印が前後の扉に押されていた。セロハンテープでまわりをしっかりと補強されている。奇跡だと思う。よく廃棄されずに、残ったものだと深く感謝し、神様に祈りたい気持ちでいっぱいである。

今回は、複数回にわたって、このブックに掲載されている記事をすべてここに公開したいと考えている。














このブログの人気の投稿

横浜の「ガーデン山」にその名を残す横浜ガーデン主と伴田家との関係

大正12年12月20日(木)、有楽町駅すぐ(日比谷側)埼玉銀行の地下にて、高級園芸市場が営業を開始 すぐにスバル座あたりに移る

昭和9年11月、野菜の話  東京市場に集まる蔬菜の、とくに高級品全般についての総合的な研究談を聞く 小笠原の話題が興味深い